【ライター仕事術】AI時代に稼ぐライターには〇〇力がある?
- 三輪大輔

- 1 日前
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AIで代替される仕事、されない仕事
現在、AIの進化は目覚ましいものがあります。ライターの方でも、文字起こしツールや、ChatGPTのような生成AIを、実際の仕事に取り入れている人が増えているのではないでしょうか。私自身も積極的に活用しており、以前と比べて生産性は格段に高まりました。
一方で、AIの進化によって「ライターの仕事はなくなるのではないか」という不安を抱く方もいるかもしれません。少し前の話になりますが、2015年12月に野村総合研究所が「日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能になる」というレポートを発表し、大きな話題を呼びました。その中で特に注目されたのが、「代替可能性が高い職業100」と「低い職業100」のリストです。

当時、このリストの中にライターは含まれていませんでした。むしろ、「代替可能性が低い職業」の方に入っています。しかし、時代が変化した結果、一部のライターの仕事は確実にAIに代替されていくことになるでしょう。
その代表例が、いわゆる“コタツライター”の仕事です。コタツ記事とは、テレビ番組の内容をまとめた記事、芸能人のSNS投稿を拾ってまとめた記事など、さまざまな形式が存在します。こうした記事は需要がある一方で、クオリティに課題があるのも事実です。テレビ番組の要約記事がYahoo!に転載される際、誤字脱字や文脈のズレが頻繁に指摘されるケースも珍しくありません。
しかし、要約はまさにAIが最も得意とする分野です。的外れなまとめ方をせず、一定の品質を保ちながら、すっきりと整理してくれるだけでなく、時間もコストも大幅に削減できます。こうした領域は、今後ますますAIが担っていくでしょう。
ライターが生き残る鍵は「編集力」
一方で、私はライターという仕事そのものはなくならないと考えています。その鍵を握るのは「編集力」です。私自身、大学時代に「ライターになりたい」と先輩ライターに相談した際、「まずは編集者になりなさい」と助言を受けました。当時は、なぜ遠回りをしなければいけないのか疑問に感じていましたが、今ではその理由がよく分かります。
編集者の視点とは、全体を見渡す力のことです。一つの記事をとっても、例えば雑誌なら、特集全体の流れから逆算して、「なぜこの記事が必要なのか」「どんな読者に届けるのか」「どこが面白いポイントなのか」「どう聞き出し、どう構成するのか」を把握していないといけません。現段階では、AIがここまでの判断を行うのは難しいのが現実です。
だからこそ依頼をする際には、手間のかからないライター、すなわち仕事全体の流れを理解し、求められている方向性を汲み取って動けるライターが選ばれます。また、編集者は同時並行でいくつもの案件を抱えているため、その状況にフィットする提案があれば、むしろ歓迎してくれます。編集の視点を持って記事を書くかどうかで、記事の質はもちろん、仕事の依頼そのものも大きく変わってくるといえるでしょう。
指示待ちライターが厳しくなる理由
先ほど、コタツライターの例を出しましたが、彼らの弱点は「誰かから与えられた指示に沿って、ただ書くだけ」という点にあります。いわな、指示待ちの状況です。編集者との関係性という観点で見ても、こうしたスタイルのままでは、これから収益を上げていくのが難しくなっていくでしょう。
では、編集力とは何か。私は、編集力には三つの重要な条件があると考えています。その内容については、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

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