なぜ「魚民」「白木屋」は激減したのに、モンテローザは潰れないのか?
- 三輪大輔

- 1月21日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
1月21日、「白木屋・魚民が激減でも「モンテローザ」が潰れない理由、店舗6割減で"後出しジャンケン戦略"も捨てた《外食の覇者》の現在地」という記事が、東洋経済オンラインに掲載されました。
モンテローザといえば、かつてはパクリ戦略で急成長した外食企業として知られてきました。ワタミの「和民」を模した「魚民」、エー・ピーホールディングスの「塚田農場」を意識した「山内農場」は、その代表例でしょう。ほかにも、「いきなり!ステーキ」を想起させる「カミナリステーキ」や、大庄グループの「月の雫」を連想させる「千年の宴」など、類似業態は枚挙にいとまがありません。中でも「目利きの銀次」をめぐっては、みたのクリエイトの「産地直送仲買人 目利きの銀次」との訴訟問題にまで発展しました。後出しでトレンドをなぞる戦略を象徴する出来事だったといえます。
しかし、コロナ禍を境に状況は一変します。居酒屋需要が大きく減少したことに加え、店探しのあり方そのものが変化し、従来の勝ちパターンは通用しなくなりました。売上高はコロナ禍前には1000億円を超えていましたが、現在は500億円台まで縮小しています。ピーク時に約2100店舗を数えた店舗網も、現在では800店舗台まで圧縮されました。
同じように模倣型の戦略を取っていた企業の中には、市場から退場した例もあります。かつて「鳥貴族」を模して「鳥二郎」を展開していた株式会社ダイナミクスは倒産しました。一方で、鳥貴族は海外でも存在感を高めています。箱や看板は真似できても、戦略そのものは真似できなかったという対比は示唆的です。
現在のモンテローザは、24年3月期から2期連続で最終黒字を計上しています。直近の25年3月期決算では、約42億7600万円の純利益を確保しました。一方で、25年3月期末時点では約67億円の債務超過を抱えており、経営環境が楽観できる状況ではありません。
そうした中で同社が選択しているのが、既存のリソースを前提とした戦略です。現在、市場で存在感を示しているのは、「新時代」や「おすすめ屋」など、いわゆる居酒屋第4世代と呼ばれる業態です。かつてであれば、こうしたブランドをそのまま模した新業態を打ち出していた可能性もあったでしょう。しかし現在は、「勝手にサワー 笑笑」や「白木屋×バリヤス酒場」など、第4世代の要素を意識しつつも、既存の店舗資産や屋号と組み合わせることを前提に設計されています。この点が、従来との大きな違いです。
派手な成長はありません。しかし、無理な拡大もしていません。モンテローザが続けているのは、潰れないための泥臭い経営であり、それは居酒屋業界が成熟局面に入ったことを示す一つの到達点だといえるでしょう。



コメント