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外食ビジネスアナリスト 三輪大輔
MIWA JOURNAL
「MIWA JOURNAL」は、外食産業・飲食業界の最新動向を、企業戦略・業界構造・現場視点から読み解く専門メディアです。日々のニュースを単に追うのではなく、「なぜそれが起きているのか」を継続的に解説しています。「外食ニュース解説」をはじめ、「飲食経営者の肖像」「飲食DXの伴走者」などの連載を通じて、外食産業の現在地と変化の本質を伝えています。更新は火曜・木曜。
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なぜココイチまで「深夜料金」を導入するのか?24時間営業の採算と「夜の外食」の変容
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)」が、2026年9月1日から深夜料金を導入した。午後10時から翌朝5時までの注文に対して、店内飲食だけでなく、テイクアウトにも7%を加算する。 深夜料金といえば、これまではファミリーレストランを中心に導入されてきた。しかし近年は、すき家や松屋などの牛丼店、はま寿司などの回転寿司へと広がり、今回、新たにカレーチェーンのCoCo壱番屋も加わった。深夜料金は、特定の業態だけのものではなくなりつつある。 背景にあるのは、人件費をはじめとした深夜営業のコスト上昇だ。深夜料金は、単なる便乗値上げではなく、24時間営業や深夜営業を維持するための仕組みと捉える必要がある。 一方で、料金を上乗せすれば、すべての店が収益を改善できるわけでもない。導入できる店とできない店の差はどこにあるのか。CoCo壱番屋の深夜料金導入を起点に、その背景と外食企業への影響、さらに変化する夜の外食市場について考えてみたい。 深夜営業を直撃する人件費の上昇 深夜料金が広がる最大の背景は、人件費の上昇である。最低賃金

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9月8日読了時間: 8分


串カツ田中がリブランディング。ハイボール110円、新ロゴ・新店舗で狙う次の20年
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 串カツ田中が、ブランド誕生18年目にして初の大規模なリブランディングに乗り出した。 運営するユニシアホールディングスは2026年9月4日、新たなブランドロゴと店舗デザイン、新タグライン「今日も、田中で。」を発表した。さらに9月10日からは「無限ハイボール(トリスハイボール)」を100円(税込110円)で新設するなど、全国の店舗でドリンク価格も改定する。 「串カツ田中」の新ロゴを披露するユニシアホールディングス代表の貫啓二氏と、PR大使に就任したももいろクローバーZの佐々木彩夏さん。ブランド誕生18年目で初のリブランディングを実施した 今回のリブランディングで注目したいのは、単なるロゴや内装の変更にとどまらないことだ。店舗、商品、価格、利用シーンまで含めて、次の20年に向けてブランドそのものを再設計しようとしている。 世田谷の住宅街から始まった串カツ田中 串カツ田中の1号店は2008年12月、東京・世田谷に誕生した。当時はリーマン・ショックのさなか。運営会社は株式会社ノートで、串カツ田中は会社の起死回生をかけて生ま

三輪大輔
9月4日読了時間: 6分


フードデリバリー市場はなぜ撤退が相次ぐのか。menu撤退で見えたUber Eats(ウーバーイーツ)・出前館・ロケットナウ「3強時代」の死角
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト コロナ禍をきっかけに急拡大したフードデリバリー市場で、大きな再編が進んでいる。 KDDIは2026年8月、子会社のmenuが展開するフードデリバリーサービスを9月30日で終了し、その後menuを解散・清算すると発表した。KDDIは、フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化や今後の事業見通しを総合的に検討した結果としている。 menuは2020年、サービスの認知拡大に向けてデリバリーバッグや自転車などを使ったプロモーションを展開。日本発のフードデリバリーとして存在感を高めてきた。 国内ではこれまで、foodpanda、DiDi Food、Chompyなどが撤退し、2026年3月にはWoltも日本市場から撤退した。そして今回のmenu撤退によって、国内のフードデリバリー市場はUber Eats、出前館、ロケットナウを中心とした「3強時代」が鮮明になってきた。 一方で、市場そのものが縮小を続けているわけではない。2025年のデリバリー市場規模は8240億円。2024年には一度減少したものの、2025年は再び増加に転

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8月28日読了時間: 14分


くら寿司は110円値下げで復活できるか。 スシロー・はま寿司との競争から見る回転寿司の価格戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 回転寿司チェーン「くら寿司」が、9月4日から最低価格を115円から110円へ値下げする。原材料価格や人件費、エネルギーコストの上昇を背景に、外食業界ではここ数年、値上げが当たり前になってきた。その中で最低価格を引き下げる今回の決定は、かなり目を引く。 ただし、くら寿司が全面的な値下げに踏み切ったわけではない。これまで115円で販売していた「サーモン」「生えび」「赤貝」など33品目は120円へ値上げする。一方で、最低価格を110円へ下げ、110円の商品を計37品目まで揃える。つまり今回の改定は、単なる値下げではない。「どの商品を上げ、どの商品を下げるのか」を選別し、価格帯そのものを組み直す価格戦略なのである。 くら寿司は増収でも利益が減っている では、なぜくら寿司は今、最低価格を下げるのだろうか。 2026年10月期中間期の売上高は1252億5300万円で前年同期比6.5%増だった。一方、営業利益は24億7600万円で14.7%減。売上は伸びているものの、利益は前年を下回っている。さらに直近では、国内既存店の客数が

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8月25日読了時間: 6分


外食業界で「増収減益」が相次ぐ理由とは。スシローの海外利益が国内を超えた決算から見える次の競争
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食企業の決算発表が相次いでいる。 足元の外食決算で目立つのが、売上は伸びているにもかかわらず、利益が減少する「増収減益」だ。モスフードサービス、ワタミ、力の源ホールディングス、トリドールホールディングスなどでは、売上を伸ばしながらも利益面では苦戦が見られた。 一方、すかいらーくホールディングス、物語コーポレーション、ゼンショーホールディングス、FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)など、増収増益を実現する企業もある。 同じように原材料費や人件費などのコスト上昇に直面しながら、なぜこれほど利益に差がつくのだろうか。足元の決算を読み解くと、国内市場で収益を確保する難しさと、その先の成長を左右する海外戦略の課題が見えてくる。 外食の決算で「増収減益」が相次ぐ理由 増収減益企業を見ると、コスト上昇の影響が鮮明だ。モスフードサービスは2027年3月期第1四半期に売上高が前年同期比3.6%増となった一方、営業利益は52.9%減となった。力の源ホールディングスも売上高5.9%増に対して、営業利益は48.6%減

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8月18日読了時間: 6分


スシローはなぜ京樽を売却するのか。吉野家からスシロー、そして「和食さと」へ。京樽が渡る理由
回転ずし「スシロー」を展開するFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)が2026年8月7日、子会社の京樽を「和食さと」を展開するSRSホールディングスへ譲渡すると発表した。譲渡額は37億4500万円で、9月1日付で全株式を譲渡する予定だ。 京樽は、テイクアウト寿司「京樽」と、回転寿司「回転寿司みさき」などを展開する寿司事業会社である。今回のスシローによる京樽売却だけを見ると、F&LCによる事業ポートフォリオの整理、いわゆる「選択と集中」に映る。しかし、京樽がたどってきた歴史とF&LC傘下での5年間を見ると、それだけでは説明しきれない。 「回転寿司みさき」は、F&LCが京樽の買収後に「海鮮三崎港」から刷新したグルメ系回転寿司。首都圏の駅前や商業施設を中心に展開しており、SRSグループ入り後は「にぎり長次郎」「うまい鮨勘」とのシナジーも期待される。 京樽は、吉野家ホールディングス、F&LC、そしてSRSホールディングスと、三つの大手外食グループを渡り歩くことになる。そして今回の譲渡は、F&LCの戦略だけでなく、現在のスシローがどこまで変

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8月7日読了時間: 6分


ドムドムハンバーガーの名古屋再進出に見るMBOの狙い。藤﨑社長が描く「ブランド再生」から「チェーン再成長」への道筋
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト ハンバーガー業界が活況を呈しています。 市場の成長を牽引しているのが、最大手の日本マクドナルドです。2025年12月期は、フランチャイズ店を含む全店売上高が8886億円、最終利益が339億円となり、いずれも過去最高を更新しました。値上げを繰り返しながらも客足は大きく落ちず、ハンバーガーが日常的な外食として定着していることをあらためて示しています。 マクドナルドの好調を追うように、他社も次の成長に向けた動きを加速させています。バーガーキングは積極的な出店を続け、2026年4月には国内355店舗へ到達しました。2028年末までに600店舗を展開する目標を掲げ、マクドナルド、モスバーガーに続く国内第3の勢力として存在感を高めています。 ロッテリアでは、ゼンショーホールディングスの傘下入り後、「ゼッテリア」への転換が進んでいます。モスフードサービスも、「おぼんdeごはん」などを運営するビー・ワイ・オーを約112億円で買収し、ハンバーガーに依存しない事業基盤を築こうとしています。 最大手が過去最高の業績を更新し、後発チェー

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7月30日読了時間: 11分


モスが「おぼんdeごはん」を112億円で買収。その理由とM&A戦略を読み解く
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食業界でM&Aが相次いでいる。日本KFCホールディングスはカーライルの傘下に入り、すかいらーくホールディングスは資さんうどんを買収。さらにコロワイドは、カフェ・ベローチェなどを展開するC-Unitedを完全子会社化した。 そうした流れの中で、モスフードサービスも「和食・酒 えん」「おぼんdeごはん」などを展開するビー・ワイ・オーを約112億円で買収すると発表。一見すると、ハンバーガーチェーンが和食企業を買ったというニュースに見える。しかし、その背景には、モスが次の成長段階へ進むための戦略がある。 商業施設を中心に展開する「おぼんdeごはん」。定食を軸に、丼やうどん、甘味など幅広いメニューをそろえ、女性やファミリー層の日常使いを取り込んできた。 モスが買収に動いた二つの理由 今回、モスフードサービスがビー・ワイ・オーの買収に動いた理由は、大きく二つある。 一つ目は、利益の振れ幅が大きいことだ。モスフードサービスは2026年3月期に連結売上高が初めて1000億円を突破した。一方で、2023年3月期には最終赤字へ転落

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7月23日読了時間: 7分


芸能人は飲食店を経営し、外食企業は有名人を経営に迎える。速水もこみちさん、斎藤佑樹氏らに見る有名人と外食の新しい関係
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト ここ最近、有名人と外食ビジネスの距離が急速に縮まっています。一つは、芸能人自身が店を経営し、現場に入る動きです。もう一つは、企業が有名人を広告塔ではなく、経営やブランドづくりの内側に迎える動きです。 例えば、俳優の速水もこみちさんは、京都で自ら厨房に立つレストランを立ち上げます。一方、「鰻の成瀬」は、元プロ野球選手の斎藤佑樹氏を、おもてなしを担う責任者として迎えました。一見すると逆方向の動きですが、起きていることの本質は同じです。 元プロ野球選手の斎藤佑樹氏(左)を「Chief Omotenashi Officer(COO)」として迎えた「鰻の成瀬」。急拡大から次の成長段階へ向け、ブランド価値の向上を図る人事として注目される。(写真:フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社リリース) かつて、芸能人と飲食店の関係は、名前や肖像を使って集客する形が中心でした。その後、本人がメニューや店づくりに関わるプロデュース型が広がり、現在は自ら経営や現場まで担う「第3の形」が目立ち始めています。同時に企業側も、有名人の

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7月21日読了時間: 8分


「二代目は会社をダメにする」は本当か。大戸屋、ナポリの窯、ゼンショーに見る外食後継者たちのしたたかな生存戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「二代目は会社をダメにする」。 家業や同族企業、あるいはカリスマ創業者の後継者を語るとき、昔から繰り返されてきた言葉です。創業者は何もないところから事業をつくり、会社を成長させる。一方、二代目は、すでに築かれた会社を受け継ぐだけ。創業者ほどの情熱や能力がなく、過去の資産を食いつぶしてしまう――そんなイメージが、今も根強く残っています。 しかし、本当にそうでしょうか。ファーストリテイリングの柳井正氏は、父親が営んでいた紳士服店を引き継ぎ、ユニクロを世界的なアパレルブランドへと育てました。星野リゾートの星野佳路氏も、創業家四代目として軽井沢の温泉旅館を全国規模のホテル運営企業へと変えています。 両者に共通するのは、「先代がつくった事業を、そのまま守らなかった」ことです。会社を残し、さらに成長させるために、過去の成功モデルを時代に合わせて再定義しました。そして今、同じような変化が外食産業でも起きようとしています。 人手不足、コスト高騰、国内市場の成熟、海外展開、DX。創業者が会社を伸ばした時代と、後継者が経営を担う現在

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7月14日読了時間: 6分


全東信破産が暴いたキャッシュレスの盲点。飲食店の売上は誰の利益になっていたのか?
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 全東信の破産は、単なる決済代行会社の倒産ではありません。飲食店の売上金を誰が預かり、誰が先に立て替え、どのように店舗へ入金していたのか。その仕組みの脆さが、一気に表面化した出来事です。 Yahoo!ニュースでは、「【チェック項目付】全東信破産で飲食店が今できること。カード端末停止、未入金確認、PayPay対応まで」加盟店が今できる対応を中心に整理しました。端末の停止、未入金売上の確認、代替決済の手配、資金繰り相談。緊急時には、まず現場が動ける情報が必要だからです。 しかし、全東信の破産には、もう少し大きな論点があります。キャッシュレス決済は飲食店に何をもたらしたのか。手数料だけでなく、売上金が外部に滞留するリスクをどう考えるのか。通常のカード加盟店審査では扱いが難しい業態に、全東信はどのような役割を果たしていたのか。そして、負債1259億円という大型倒産は、金融機関や実体経済にどのような影響を及ぼすのか。 結論からいうと、全東信の破産は、キャッシュレス化の裏側で膨らんでいた「売掛金リスク」を可視化した出来事といえ

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7月7日読了時間: 13分


外食は、改めて夢のある産業になっている。スターバックス日本事業の売却観測から考えたこと
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト スターバックス日本事業に売却観測 2026年6月10日、米スターバックスが日本事業の株式売却を含む選択肢を検討していると報じられました。取引額は4000億〜5000億円規模に達する可能性があるとされます。 スターバックスにとって日本は最大級の海外市場の一つです。国内店舗数は約2100店に上り、その約9割が日本の完全子会社による直営店舗だと報じられています。日本の都市生活の中に深く浸透した巨大ブランドに、なぜこれほどの評価がつくのでしょうか。 さらに問われるのは、その規模の事業を誰が買えるのかです。これは単なる売却検討ではありません。外食ブランドの価値を誰が、どのような形で保有し、次の成長につなげていくのかを示す動きでもあります。 日本のスターバックスは、都市生活に定着したブランド 日本のスターバックスは、単なるカフェチェーンではありません。仕事の合間に立ち寄る場所であり、待ち合わせの場所であり、勉強や作業をする場所であり、移動中に一息つく場所でもあります。 駅前、商業施設、オフィス街、住宅地、観光地など、さまざま

三輪大輔
6月16日読了時間: 5分


「吸わせても地獄、禁煙にしても地獄」倒産急増の居酒屋を悩ませるたばこ包囲網の現在地
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 2020年4月の改正健康増進法全面施行により、飲食店は全国的に原則屋内禁煙となった。いまでは、居酒屋でたばこを吸えないことも珍しくない。私自身もたばこは吸わない。たばこを吸わない人にとって、煙や臭いを気にせず過ごせる店内環境は重要である。受動喫煙対策が必要であることも当然だと思っている。吸う人も吸わない人も、互いに気持ちよく過ごせる環境づくりは、飲食店にとって避けて通れない課題である。 一方で、個店の居酒屋が置かれている状況はかなりシビアだ。たばこを排除すれば、喫煙客を失う可能性がある。かといって、分煙ブースや喫煙専用室を置けば、客席を削り、費用もかかる。店内で吸えないなら外で吸ってもらえばいい、という対応も、都市部では簡単ではない。今、居酒屋とたばこの関係は、大きな転換点にある。 飲食店の喫煙ルールは全国一律ではない 2020年4月の改正健康増進法全面施行により、飲食店は全国的に原則屋内禁煙となった。 ただし、国の制度には経過措置がある。2020年4月1日時点で営業していた小規模な既存店については、一定条件を満

三輪大輔
6月5日読了時間: 8分


はま寿司「洗剤ドバドバ」寿司テロ動画の衝撃。配膳レーンすら突破する愚行が「1皿100円台」を完全崩壊させる
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「はま寿司」の店舗とみられる場所で、回転寿司のレーン上にある商品に洗剤のような液体をかける、いわゆる寿司テロ動画がSNS上で拡散され、大きな波紋を広げています。仮に中身が洗剤ではなかったとしても、飲食における「安心」を直接的に傷つけた時点で、単なる悪ふざけでは済まされません。少なくとも威力業務妨害に問われ得る重大な犯罪行為です。 回転寿司業界は、過去の度重なる迷惑動画を受けて厳正な対応と店舗運営の見直しを迫られてきました。しかし、今回の事件は、業界がこれまで巨額の投資で進めてきた「防衛策の前提」をも根底から揺るがす、極めて深刻な事態と言えます。 厳罰化の歴史――すでに「いたずらでは済まされない」業界の姿勢 回転寿司をめぐっては、2023年にスシローで客による迷惑動画が問題となり、運営会社が約6700万円の損害賠償を求めました。その後、調停成立等を受けて請求は取り下げられましたが、少年は家裁送致されています。 くら寿司も、しょうゆ差しを直飲みするように見せた動画をめぐって警察に被害届を提出し、威力業務妨害の疑いで逮

三輪大輔
5月28日読了時間: 4分


飲食店の倒産は過去最多へ。103万円の壁、カード手数料の苦境に「TOKYO DINING COLLECTIVE」が示す、声を数字に変える政策提言
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 帝国データバンクによると、2025年の飲食店経営事業者の倒産は900件となり、前年の894件を上回って過去最多を更新した。食材費や光熱費の高騰、賃上げによる利益圧迫に加え、中小・零細の飲食店を中心に、倒産・廃業の件数は高止まりすると見られている。 業態別に見ても、厳しさは表れている。東京商工リサーチによると、2026年1〜4月の「居酒屋」倒産は88件となり、前年同期比54.3%増と急増した。1989年以降、1〜4月としては最多を更新している。 コロナ禍が明け、街には人が戻った。繁華街には活気が生まれ、インバウンド需要も回復している。外から見れば、外食産業は苦境を抜け出したようにも見える。しかし、現場の経営環境は決して楽になっていない。原材料費、人件費、光熱費、物流費は上がり、人手不足も深刻化している。客足の回復だけでは吸収しきれない負担が、現場に重くのしかかっている。 しかも、いま飲食店が直面している課題は、個々の店の努力だけでは解決しにくいものが多い。年収の壁をめぐる制度改正、特定技能人材の受け入れ、クレジット

三輪大輔
5月26日読了時間: 18分


第2次ハワイアンブームの正体。なぜ今、「ハワイ」を求める商業施設が爆増しているのか?
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト ■テレビ各局で相次ぐ「ハワイ特集」の舞台裏 4月1日にYahoo!ニュース エキスパートで公開した「第2次ハワイアンブームの正体。“高嶺の花”となったハワイ旅行と、国内代替消費の拡大」という記事が、大変ありがたいことに多くのテレビメディアで取り上げられました。 4月中旬から5月にかけて、各局のニュース番組で「いま、なぜ日本でハワイアンが熱いのか」というテーマで解説させていただきました。 『グッド!モーニング』(テレビ朝日) 『news every.』(日本テレビ) 『THE TIME,』(TBS) 『サタデーLIVE ニュース ジグザグ』(テレビ朝日) なぜ今、再び「ハワイアン」なのか。この現象を読み解くには、まずこれまでのブームの歴史を振り返る必要があります。 ■ 2010年、トレンドエリアを席巻した「第1次ブーム」 そもそも日本における本格的なハワイアンブームは、今回が初めてではありません。第1次の波が起きたのは、今から15年ほど前の2010年前後のことです。 この時、ブームの象徴となったのが『Eggs 'n

三輪大輔
5月7日読了時間: 5分


「鳥貴族」「日高屋」「しゃぶ葉」も…なぜ外食チェーンの炎上は止まらないのか? 現場の限界とSNS時代のQSC戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「バイトテロ」ではなく、現場の限界が可視化されている 2026年に入り、大手飲食チェーンの炎上が相次いでいます。 「しゃぶ葉」:肉が薄すぎて皿が透けて見えるとSNSで拡散。 「鎌倉パスタ」:パン食べ放題なのに「パンが全然来ない」と不満が噴出。 「鳥貴族」:食べ飲み放題での誤請求トラブル。 「日高屋」:異物混入や接客トラブルの投稿。 これらの多くは、かつてのような「バイトテロ」ではありません。むしろ、「現場のオペレーションが追いついていない実態」が、顧客のスマートフォンを通じて可視化されてしまっているのです。 以前であれば、店内でのクレームや、その場での指摘で終わっていたかもしれません。しかし今は違います。一つの違和感が写真や動画とともに投稿され、個店の出来事がブランド全体の評価へと直結する時代になりました。 ラーメン二郎を巡る“ルール論争”や、スターバックスの卒業投稿を巡る炎上などもそうです。本来はその場で完結するはずだった個別事案が、SNSによって「企業全体の姿勢」の問題へと変換されてしまう。いまや、顧客のスマ

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4月23日読了時間: 5分


ゼンショー創業者、小川賢太郎氏は外食の何を変えたのか。5坪の弁当屋から1兆円企業へ、その軌跡
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト これまで外食ビッグ4やバーガー・ワン、 オリーブの丘 など、ゼンショーホールディングスについて繰り返し書いてきた。それは、この企業を起点に見ることで、現在の外食業界を理解しやすくなるからだ。それほどまでに、同社は産業そのものを体現する存在だといっていい。 生成Aiで作成 そうした前提に立てば、ゼンショーの創業者である小川賢太郎会長は、日本の外食産業に金字塔を打ち立てた稀代の経営者といえるだろう。その小川賢太郎会長が4月6日に逝去された。外食産業の歴史を振り返ると、そのリーダー像は約10年ごとに変化してきた。 例えば、1970年代は「Pioneers」の時代だ。外食という産業そのものが未成熟な中で、チェーンストア理論を持ち込み、骨格をつくった開拓者たちが現れた。「つぼ八」を創業した石井誠二氏や、日本マクドナルドを立ち上げた藤田田氏などが、その代表例である。 1980年代は「Builder」の時代だ。ロードサイド型の大型店舗を全国に広げるとともに、都市部でも外食文化が広がり、日常の中に定着していった。「カフェ.

三輪大輔
4月7日読了時間: 7分


「鰻の成瀬」の大量閉店は失敗か、再生への布石か。「しんぱち食堂」との比較で見えた外食フランチャイズの成功法則
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 外食経営を「短期的な成否」で断じてはならない理由 不祥事であれば話は別だが、私は、うまくいかなかった飲食店を安易に断じることはしたくない。そもそも経営は、短期で評価できるものではない。ある時点では失敗に見えたとしても、数年後に復活することは珍しくない。実際、外食の歴史は、その繰り返しで成り立っている。まさに、災禍は糾える縄のごとし。不幸が別のかたちで作用し、結果として成功へと転じることもある。だからこそ、今起きている現象を「良い・悪い」で切り分けるのではなく、その背景にある構造を捉えることが大切だ。 異例のスピードで駆け抜けた「2年300店舗」の軌跡 それを踏まえて、フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社が運営する「鰻の成瀬」の話をしたい。鰻の成瀬は、2022年の1号店出店以降、驚異的なスピードで店舗を拡大してきた。わずか2年で300店舗を達成し、外食業界でも異例の成長曲線を描いた存在である。 職人を必要としないオペレーション。居抜きで出店できる柔軟性。そして低い損益分岐点。こうしたビジネスモデル

三輪大輔
4月2日読了時間: 8分


日本上陸の『Too Good To Go』がフードロス削減を加速。「安売り」を「社会貢献」へ再定義する外食産業の革命
三輪大輔 |外食ビジネスアナリスト 2026年4月、再び訪れた「値上げラッシュ」 2026年4月、食品の値上げは2798品目にのぼり、年内初の値上げラッシュが起きている。原材料費や人件費の上昇が続く中、外食や食品の価格は上がり続けており、消費者にとって「安く買える機会」はこれまで以上に大きな価値を持つ。 一方で、飲食店にとって値引きは簡単な手段ではない。単純な値下げは、ブランド価値の毀損や利益率の悪化につながるリスクを伴う。特に近年は、価格戦略そのものがブランドのポジショニングと強く結びついており、安易な値引きは長期的な競争力を損なう可能性すらある。そのため、多くの企業は値引きを「やりたくてもできない」状況に置かれてきた。 このジレンマに対して、今、新たな解が生まれつつある。それがフードロス削減を軸にした「条件付きの値引き」だ。「クリスピー・クリーム・ドーナツ」で導入が進む「Too Good To Go」や、「丸亀製麺」「エクセルシオールカフェ」などが活用する「TABETE」といったサービスを通じて、余剰商品や売れ残りがアプリ経由で販売される仕組

三輪大輔
3月31日読了時間: 5分
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