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外食ビジネスアナリスト 三輪大輔
MIWA JOURNAL
「MIWA JOURNAL」は、外食産業・飲食業界の最新動向を、企業戦略・業界構造・現場視点から読み解く専門メディアです。日々のニュースを単に追うのではなく、「なぜそれが起きているのか」を継続的に解説しています。「外食ニュース解説」をはじめ、「飲食経営者の肖像」「飲食DXの伴走者」などの連載を通じて、外食産業の現在地と変化の本質を伝えています。更新は火曜・木曜。
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マクドナルドの「青いマックの日」は10年、スターバックスの「ハミングバード」は15年。社会貢献を続ける理由とは?
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト マクドナルドは10年、スターバックスは15年——。 日本を代表する外食チェーンが、長年にわたって続けている社会貢献活動がある。 日本マクドナルドは10月18日、全国の店舗でチャリティ活動「青いマックの日」を開催した。病気と向き合う子どもとその家族のための滞在施設「ロナルド・マクドナルド・ハウス」を支援する取り組みで、今年は人気ガールズグループ「HANA」も参加した。一方、スターバックスも「ハミングバード プログラム」を通じて、子どもたちの学びや体験を支援してきた。 両社に共通するのは、日常的に多くの人が利用する店舗を、社会貢献の接点として生かしていることだ。なぜ外食企業は、こうした活動を長年続けるのか。その背景には、単なる寄付では語りきれない、企業と地域社会との関係がある。 病気の子どもと家族を支える「ロナルド・マクドナルド・ハウス」 「青いマックの日」は、病気と向き合う子どもと家族を支援するためのチャリティ活動だ。 病気の子どもに付き添う家族のための滞在施設「ロナルド・マクドナルド・ハウス」。国内12カ所で展開

三輪大輔
5 日前読了時間: 8分


フードデリバリー「送料無料」は札束の叩き合いで終わるのか? Uber Eats・出前館・ロケットナウの勝算
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 札束の叩き合いで自滅していくのだろうか。 フードデリバリーで「お店価格」や送料無料の競争が激しくなっている。店頭との価格差が縮まれば、「便利だが高い」と利用を控えていた人も注文しやすくなる。各社が目指すのは、たまに使うサービスから、日常の食事を支えるサービスへの転換だ。 一方、2026年9月にはKDDI子会社のmenuがサービスを終了した。象徴的なのは、他社への売却による存続ではなく、サービス終了と会社の清算に至ったことだ。KDDIは、競争環境や今後の事業見通しを検討し、経営資源の最適配分という観点から終了を判断したと説明している。資金力のあるKDDIでさえ、投資を続ける道を選ばなかった。需要があることと、投資に見合う利益を得られることは別なのである。 主要プレーヤーとなったUber Eats、出前館、ロケットナウの3社は、この壁を越えられるのか。送料無料という先行投資を回収する条件は、各社で異なる。この戦いは、資金力にものをいわせた「札束の叩き合い」で終わるのか。それとも、各社に利益へつなげる勝算があるのか。競

三輪大輔
10月30日読了時間: 8分


ファミレス業界の現状と勢力図。ガスト・サイゼリヤ・ロイヤルホスト・デニーズの成長戦略とは
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト かつてファミリーレストランは、家族で外食を楽しむ少し特別な場所だった。ハンバーグを食べたい子どもも、和食を食べたい祖父母も、同じテーブルを囲める。料理をスタッフが運んでくれ、食後にはデザートやコーヒーを楽しめる。家族の好みの違いを一つの店で受け止められることが、ファミレスの大きな強みだった。 現在、その役割は回転寿司、焼肉食べ放題、郊外カフェ、フードコートなどにも広がっている。家族で出かける外食の目的地は、ファミレスだけではなくなった。 では、ファミレスは衰退したのか。私は、そう単純ではないと思う。家族外食を取り巻く競争が変わり、各社が強みを磨き直してきた。その結果、同じファミレスでも、価格、料理、接客、店舗展開の戦略は大きく分かれている。 ガストを擁するすかいらーく、サイゼリヤ、ロイヤルホスト、デニーズ。その経営判断を比べると、ファミレス業界の現状と、次の成長への道筋が見えてくる。 ファミレスの勢力図を変えた「家族外食」の再編 1970年代から1980年代にかけて、ファミリーレストランは家族外食の代表的な目的地

三輪大輔
10月21日読了時間: 9分


牛丼業界の現状と今後は? 吉野家・松屋・すき家の業績と異なる成長戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト かつて激しい値下げ競争を繰り広げた牛丼業界が、大きな転換期を迎えている。 牛丼は、外食産業の中でも低価格を武器に成長してきた業態だ。安く、おいしい牛丼を手早く提供することで顧客を獲得し、全国に店舗網を広げてきた。しかし、コメや牛肉などの原材料費に加え、人件費やエネルギー費の上昇が続き、従来の薄利多売の経営モデルでは十分な利益を確保することが難しくなっている。こうした状況を受け、吉野家、松屋、すき家の大手3社は値上げや高付加価値商品の投入、店舗運営の効率化を進めてきた。 その一方で、新たな成長戦略も鮮明になっている。吉野家は、既存店の収益性を高めながら、ラーメン事業を第3の柱に育てようとしている。松屋は牛めしととんかつのダブル看板から、ラーメンなどを含む多業態経営を加速。すき家を展開するゼンショーホールディングスは、はま寿司などが成長するなか、海外で稼ぐ事業基盤を広げている。 牛丼市場の現状と、3社が目指す将来像を、直近の決算や経営戦略から読み解いていきたい。 牛丼市場の現状。約5,000億円の巨大市場を支える3社

三輪大輔
10月17日読了時間: 11分


渋谷・円山町で進む再開発。ラブホテル街はどう変わる? 新宿・池袋との違い
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 東京を代表する繁華街である渋谷、新宿、池袋では、いずれも大規模な再開発が進んでいる。 渋谷では「100年に一度」と呼ばれる駅周辺の再開発が続き、新宿でも駅東西を含めた再編が進む。池袋でも西口約4.5ヘクタールを対象とした市街地再開発が計画されるなど、三つの街はいずれも大きな転換期を迎えている。 ところが、街を歩いてみると大きな違いに気づく。渋谷では、かつてラブホテルや風俗店、夜の飲食店が集まっていた道玄坂から円山町にかけて、一般ホテルや新しい飲食店が増え、街の雰囲気が変わり始めている。一方、新宿には今も歌舞伎町という日本有数の歓楽街があり、池袋でも北口周辺にはホテル街や夜型の飲食店が広がっている。 同じように再開発が進んでいるにもかかわらず、なぜ渋谷では歓楽街の変化が目立ち、新宿や池袋ではその姿が比較的強く残っているのだろうか。 円山町で進む「街の用途」の変化 象徴的なのが渋谷・円山町である。 円山町は大正から昭和初期に花街として栄え、その後はラブホテル街、歓楽街として発展してきた。渋谷駅から徒歩圏という極めて恵

三輪大輔
10月7日読了時間: 7分


外食産業の今後はどうなる? インフレ・人口減少・人手不足で進む5つの変化
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食産業は今後どうなるのか。 原材料費や人件費、光熱費、物流費の上昇が続く一方、消費者の生活には物価高が重くのしかかっている。さらに日本では人口減少が進み、飲食店では人手不足も深刻になっている。 外食産業を取り巻く環境は、決して楽観できるものではない。 ただし、だからといって「人口が減るから外食市場も縮小する」と単純に考えることはできない。実際には、外食企業の価格戦略、人材戦略、店舗運営、M&A、海外展開など、経営のあり方そのものが大きく変わろうとしている。これまで外食産業を取材してきた中で見えてきたのは、大きく5つの変化である。 1.インフレ下で進む「価格の三極化」 今後の外食産業では、単純に値上げが続くのではなく、「値上げ」「価格据え置き」「値下げ」の三極化が進んでいくと考えている。 一つ目は、ブランド力や商品力を背景に値上げできる企業だ。多少価格が上がっても客数が大きく落ちないブランドであれば、原材料費や人件費の上昇を価格へ転嫁しやすい。価格ではなく、商品や体験そのものを理由に選ばれている企業は、このグルー

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9月29日読了時間: 9分


同じ値下げでも意味が違う? くら寿司、鳥貴族、安楽亭に見る外食業界の値付けの三極化
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食企業の値付けが激しく動いている。 くら寿司は、最低価格を115円から110円へ引き下げる一方、サーモンや生えびなど33品目を120円へ値上げした。安楽亭は食べ放題のスタンダードコースを4048円から3608円へ引き下げ、グランドメニューも75品目以上を値下げした。一方、鳥貴族は10月から全品均一価格を390円から410円へ引き上げる。 同じ原材料費や人件費の上昇に直面しながら、値上げする企業、値下げする企業、商品ごとに価格を上げ下げする企業に分かれている。これは外食の値上げ路線が終わったという話ではない。各社の競争力の差が、値付けに表れ始めたのである。 110円のはま寿司、高付加価値のスシローに挟まれたくら寿司 くら寿司は9月4日から、最低価格を115円から110円へ引き下げた。「ねぎまぐろ」など37品目が対象となる。一方、これまで115円だったサーモン、生えび、赤貝など33品目は120円へ値上げした。安さを印象づける商品を下げながら、需要が見込める商品は値上げして採算を調整する改定である。...

三輪大輔
9月17日読了時間: 6分


カフェ業界の現状を「4象限」で読み解く スタバ、ドトール、ベローチェ、ルノアールの競争領域
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 以前、Yahoo!ニュース エキスパートで、カフェ市場を取り巻く競争環境について前後編の記事を書きました。 前編では、「スターバックス」「ドトールコーヒーショップ」「カフェ・ベローチェ」など大手カフェチェーンを中心に、禁煙化とコスト高によって競争軸がどのように変わっているのかを分析しました。(→ スタバ、ドトール、ベローチェの現在地。禁煙化とコスト高で始まる大手カフェの新競争【前編】) 後編では、中小の喫茶店や専門店、韓国発の低価格・大容量カフェ、コンビニなどにも視野を広げ、カフェ市場の競争相手がどこまで広がっているのかを取り上げました。( コーヒー豆高騰でカフェ市場に異変。中小店、韓国勢、コンビニが競う新時代【後編】) その中でも、前編でカフェ市場を整理するために使ったのが、「吸う/吸わない」「高い/安い」という二つの軸です。スターバックス、ドトール、ベローチェ、ルノアール。いずれも一般には「カフェ」「喫茶店」として括られます。しかし、実際には同じ市場で、まったく同じ競争をしているわけではありません。...

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9月15日読了時間: 11分


1兆円目前のラーメン業界で何が起きているのか。一風堂・町田商店・魁力屋に見る国内競争と海外戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト ラーメン市場が大きな転換点を迎えている。 帝国データバンクによると、2025年度のラーメン店市場は8855億円となる見込みで、10年前の5418億円から63.4%拡大した。現在の成長が続けば、早ければ2027年度にも1兆円市場へ到達する可能性がある。 ところが、ラーメン店を取り巻く経営環境は決して順風満帆ではない。原材料費、人件費、光熱費は軒並み上昇している。麺や豚肉、背脂、海苔、メンマなど幅広い食材が値上がりする一方、ラーメンには長年「1000円の壁」があると言われてきた。近年は1000円を超える商品も珍しくなくなったとはいえ、他の外食業態ほど価格転嫁が容易なわけではない。 東京商工リサーチによると、2025年度のラーメン店の倒産は57件となり、過去2番目の高水準となった。店は淘汰されている。それなのに、市場は過去最大となり、1兆円に近づいている。一見すると矛盾しているように見えるが、ここに現在のラーメン業界を理解する重要なポイントがある。 ラーメン市場は単純に店舗数を増やしながら成長しているのではない。プレー

三輪大輔
8月13日読了時間: 7分


「かつやvs松のや」だけじゃない。とんかつチェーン激化の背景を「4象限」で解説
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「松のや」が店舗数で「かつや」を上回り、とんかつチェーンの首位に立った。長年、「かつや」が存在感を示してきた市場で起きた首位交代は、とんかつ業界の競争が新しい段階に入ったことを象徴している。 ただし、現在のとんかつ市場を「かつや対松のや」という二社の争いだけで捉えると、全体像を見誤ってしまう。「和幸」や「新宿さぼてん」といった老舗チェーンに加え、「かつさと」物語コーポレーションの「熟成肉とんかつ ロース堂」、ホットランドの「厚切りとんかつ よし平」、串カツ田中ホールディングスの「厚とん」など、異なる強みを持つプレイヤーが存在感を高めているからだ。 現在のとんかつチェーンは、「リーズナブル/やや高価格帯」という価格軸と、「駅前・都市型/郊外・ロードサイド」という立地軸で整理すると分かりやすい。それぞれの市場に異なる勝ち筋が残されていることが、とんかつ業界全体の活況につながっている。では、各社はどの領域を主戦場とし、どのような強みで成長を目指しているのか。4つの象限に分けて見ていきたい。 ①リーズナブル×駅前・都市型

三輪大輔
7月28日読了時間: 10分


宅配ピザ3強を比較。ドミノ、ピザハット、ピザーラの経営戦略はどう違うのか
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト コロナ禍で大きく伸びた宅配ピザ市場が、転換期を迎えています。 象徴的なのが、業界首位のドミノ・ピザです。同社は2026年6月、「お持ち帰り半額」を終了し、価格体系を大きく見直しました。宅配のMサイズを平均約600円値下げする一方、持ち帰りは30%引きへ変更。さらに、チーズを20%増量し、14年ぶりにブランドロゴも刷新しました。一見すると、価格改定やキャンペーン変更のニュースに見えます。しかし、その背景には、コロナ禍に急拡大した店舗網と事業モデルを見直し、次の成長の形を模索するドミノの姿があります。 一方、ピザハットは小型店や店舗受け取りを軸に出店を進め、ピザーラは商品力と品質を重視する姿勢を崩していません。同じ宅配ピザを扱う3社ですが、現在の戦い方は大きく異なります。その違いを理解するには、まず各社がどのような成り立ちを持ち、何を強みとしてきたのかを振り返る必要があります。 日本の宅配ピザ市場を形づくった3社 日本で宅配ピザが広がり始めたのは、1980年代以降です。1985年、ドミノ・ピザが東京・恵比寿に1号店を

三輪大輔
7月16日読了時間: 9分


おにぎり第3世代が始まった。「ワンハンド天丼」ロイヤルおにどんが示す次の外食市場
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト おにぎり市場が次の段階に入った おにぎり市場が、次の段階に入りつつある。これまでおにぎりは、コンビニや駅ナカで手軽に買える日常食として広がってきた。忙しい朝、移動中の昼食、小腹を満たす間食。日本人にとって、おにぎりはあまりにも身近な存在である。 しかし近年、そのおにぎりに新しい価値が加わってきた。専門店の増加である。東京・大塚の人気店「ぼんご」に代表されるように、注文を受けてから目の前で握り、具材をたっぷり詰め込むスタイルが注目を集めた。コロナ禍以降、同店を思わせるおにぎり専門店も増え、おにぎりは「安くて手軽な食べ物」から、「わざわざ食べに行く食事」へと価値を高めてきた。この流れを整理すると、おにぎりの進化は大きく3つの世代に分けて考えることができる。 第1世代は、コンビニ・駅ナカのおにぎり 第1世代は、コンビニや駅ナカを中心とした手軽なおにぎりである。誰でも、どこでも、短時間で買える。日常の食事にも、移動中の軽食にもなる。価格も手頃で、商品数も多い。おにぎりを日常食として広く定着させたのが、この第1世代だ。..

三輪大輔
7月9日読了時間: 8分


セブンとマックが変えたスムージーの現在地。なぜ“意識高い飲み物”は日常の一杯になったのか
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 見かける機会が増えたスムージー スムージーを見かける機会が増えた。セブン-イレブンでは、店内の専用マシンで作る「セブンカフェ スムージー」が広がっている。マクドナルドも季節限定商品としてスムージーを展開している。カフェチェーンでも、季節の果物を使ったスムージーは珍しくなくなった。 かつてスムージーといえば、健康や美容に関心の高い人が飲む、いわば“意識高い飲み物”という印象もあった。ところが今は、コンビニで買える。マクドナルドでも買える。カフェでも選べる。いつの間にか、スムージーは日常の一杯になりつつある。日本におけるスムージーの広がりは、大きく三つの段階で見ると分かりやすい。 第1の波:2012年前後のグリーンスムージーブーム この時期のスムージーは、どちらかといえば「自分で作るもの」だった。野菜や果物を買い、ミキサーにかけ、朝の習慣として飲む。美容やダイエット、デトックスと結びつき、健康感度の高い人が選ぶ飲み物として広がっていった。 2010年代には、アサイーボウルやコールドプレスジュースなど、健康・美容系のド

三輪大輔
7月2日読了時間: 6分


ちゃん系焼肉は一過性のブームではない? 牛角、焼肉ライクの先にある「第三の焼肉革命」
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 「ちゃん系」と聞くと、ラーメンを思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし近年、焼肉業界でじわじわと存在感を高めているのが「ちゃん系焼肉」だ。店主を「〇〇ちゃん」と呼ぶことに由来するとされる焼肉店のスタイルで、カウンター越しに肉を切り分けるライブ感のある提供方法を特徴とする。2016年に大阪で生まれたこのスタイルは、徐々に東京へ広がり、現在では首都圏や地方都市へも浸透し始めている。 人気の理由は三つある。一つ目は、ライブ感だ。目の前で肉を切り分ける様子そのものがエンターテインメントとなり、寿司や天ぷらのカウンターのような体験価値を焼肉にもたらした。二つ目は、分かりやすさである。近年の焼肉はブランド牛や希少部位など選択肢が増えた一方、「何を頼めばいいのか分からない」という声も少なくない。ちゃん系焼肉は店ごとに看板商品が明確で、初めてでも楽しみやすい。三つ目は、安心感だ。産地や肉の特徴を目の前で伝えながら提供することで、価格だけではない納得感が生まれている。こうした特徴から、ちゃん系焼肉は単なる流行ではなく、新しい焼肉

三輪大輔
6月11日読了時間: 5分


居酒屋倒産が過去最多のなぜ。大手最高益と中小倒産のギャップで読む、勝ち方の変化
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 居酒屋の倒産が過去最多ペースで増えている。 東京商工リサーチの調査によると、2026年1〜4月の「居酒屋」倒産は88件となり、前年同期比54.3%増と急増した。1〜4月期としては、1989年以降で過去最多だ。 この数字だけを見ると、世間は「居酒屋不況」と受け止めたくなる。もちろん、原材料費、人件費、光熱費の上昇は大きな負担だ。若者のアルコール離れや宴会需要の変化も、経営に深刻な影響を与えている。しかし、このニュースを単なるコスト高による不況とだけ読むと、いま外食市場で起きている本質的な地殻変動を見誤ることになる。なぜなら、一方で大手外食企業は「過去最高益」を叩き出すほどの好調に沸いているからだ。 企業名(グループ名) 2026年期の業績動向 ワタミ 2026年3月期:5期連続増収、連結営業利益は5.9%増の48億3000万円(国内外食事業が牽引) コロワイド 2026年3月期:売上収益3000億円超、事業利益ともに過去最高を更新 エターナルホスピタリティグループ (鳥貴族) 2026年7月期:通期予想を上方修正。

三輪大輔
5月18日読了時間: 6分


「飲まない客」を拒む居酒屋の本音。アルコール粗利の崩壊と「第3の危機」
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト アルコール粗利の崩壊と、変わり始めた“酒場”の役割 居酒屋をめぐる「飲まない客」論争が、SNSで定期的に再燃している。 「ソフトドリンクしか頼まないなら居酒屋に来るな」 「いや、メニューにある以上、何を頼もうが自由だろう」 一見すると、単なるマナー論や世代間の価値観の衝突にも見える。しかし、この問題の背景には、現在の居酒屋が抱える、極めて構造的な変化が存在している。 「飲まない客」論争の裏にある、居酒屋の“三つの危機” 特に個店の居酒屋は今、「市場縮小」「コスト高」、そして「客層変化」という三つの危機に直面している。 一つ目は、酒離れや飲み会文化の衰退による市場縮小だ。かつてのように「会社終わりに飲みに行く」という習慣そのものが弱くなり、コロナ禍を経てその流れはさらに加速している。 二つ目は、原材料費、光熱費、人件費などの高騰によるコスト増である。特に居酒屋は、深夜営業や火を使う調理も多く、エネルギーコストの影響を受けやすい業態だ。加えて、慢性的な人手不足も続いている。 そして三つ目が、「客層の変化」である。SN

三輪大輔
5月14日読了時間: 5分


なぜデリバリーは「お店価格」になったのか? 出前館・Uber Eats・ロケットナウの新戦略が目指す「日常化」
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト コロナ禍で爆発的に普及したデリバリー。しかし、お店より高い価格設定がネックとなり、利用を控える人も少なくありません。実際、国内市場は2019年の約4200億円から2025年には約8240億円へと拡大する見込みですが、ここ数年は成長が鈍化しています。 こうした中、米Coupangグループの日本法人が運営する「ロケットナウ」が、配送料・サービス料無料というモデルで存在感を高め、「出前館」や「Uber Eats」も「お店価格(店頭同等価格)」へと舵を切りました。 これは単なる価格競争ではありません。「高いから時々使うサービス」だったデリバリーを、「日常的に使うもの」へと変えるための競争です。なぜ各社は、収益を削ってまで踏み込むのか。そこには、デリバリーを「便利なサービス」から「生活インフラ」へと変えようとする構造転換があります。 「お店価格」競争の引き金となったロケットナウ 日本のデリバリー市場における2026年の激変。その引き金を引いたのが、韓国発の「ロケットナウ」でした。韓国では、デリバリーはすでに水道や電気のよう

三輪大輔
4月28日読了時間: 6分


「安くて、旨くて、感じがいい」はもう限界。特定技能の停止が突きつける、外食「奇跡の時代」の終焉
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 外食業界に激震が走っている。 政府は2026年4月13日をもって、人手不足対策の柱であった「特定技能1号(外食業)」の受け入れを原則停止すると発表した。2028年度までの上限5万人に、想定を上回るスピードで達してしまったためである。 すでに採用を決め、現地で教育を終え、「あとは日本に来るだけ」と入国を待っていた企業にとっては、経営計画が根底から覆る事態だ。しかし、このニュースが突きつけている真の課題は、単なる人手不足ではない。日本の外食が守り続けてきた「高品質・低価格・好サービス」というビジネスモデルそのものの限界である。 1. 顧客の「期待」と産業の「現実」の致命的なズレ 今、日本の外食は、逃げ場のない「板挟み」にある。 まず、顧客側の感覚を整理してみよう。 ・モバイルオーダーは味気ない。丁寧な接客がいい。 ・海外展開ばかりするのは国内を軽視しているように見える。 ・外国人スタッフが増えることには、不安を感じる。 ・しかし、価格は1円たりとも上げてほしくない。 一方で、企業側の現実はこうだ。 ・圧倒的に人が足り

三輪大輔
3月29日読了時間: 3分


外食売上ランキングの地殻変動——「ビッグ4」へ向かう勢力図。ゼンショーの帝国、マックの国内1兆円、すかいらーくのDX、スシローの世界戦略
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト 日本の外食産業を牽引してきたのが、ゼンショーホールディングス、日本マクドナルドホールディングス、すかいらーくホールディングスだ。牛丼や回転寿司、ハンバーガー、ファミリーレストランなど、それぞれが日常の食を支える巨大な店舗網を築き、幾度もの経営環境の変化を乗り越えてきた。 その3社に迫っているのが、回転寿司チェーン「スシロー」を展開するFOOD & LIFE COMPANIESである。2025年9月期の売上収益は4295億円に拡大。さらに2026年9月期は5050億円を見込み、すかいらーくが2026年12月期に予想する5000億円と肩を並べる水準に達している。決算期は異なるものの、その追い上げの勢いは鮮明だ。 一方、日本マクドナルドも成長を続けている。2025年の全店売上高は8886億円と過去最高を更新し、国内で1兆円が視野に入る規模へと育った。 ゼンショーの規模と調達力、すかいらーくのDXと店舗運営力、スシローの海外展開、そしてマクドナルドの巨大な店舗網と収益力。同じ外食企業でも、成長を支える仕組みは異なる。4社

三輪大輔
3月4日読了時間: 12分


「第4次モーニングブーム」の到来。なぜ今、ファミレスの朝が最強の主戦場になったのか?
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト メディアが注目する「第4次」の正体 2月17日、フジテレビの情報番組「Live News イット!」でモーニングブームの背景について解説するインタビューに応じました。さらに2月19日には、日経クロストレンドが「サイゼリヤが始動、『朝サイゼ』リポート 朝マックやコメダにない価値」を公開するなど、朝に対する関心が一気に高まっています。 そこで使われているキーワードが「第4次モーニングブーム」です。この言葉は、私が2025年10月10日にYahoo!ニュースで公開した「第四次モーニングブーム到来!? ファミレスが朝に本気を出しはじめた理由とは」で提示した概念です。 モーニングにはこれまで三度の波がありました。1950年代の名古屋喫茶文化を起点とする第1次、1980年代のファミレス拡大期の第2次、そして2010年代のエッグスンシングスなど外資・専門店主導の第3次です。 そして今、再び動き始めています。震源地は「ファミレス」です。なぜ今、大手各社がこぞって朝に力を入れているのでしょうか。その象徴的な事例である「サイゼリヤ」

三輪大輔
2月19日読了時間: 3分
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