「第4次モーニングブーム」の到来。なぜ今、ファミレスの朝が最強の主戦場になったのか?
- 三輪大輔

- 2月19日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前
三輪大輔|外食ビジネスアナリスト
メディアが注目する「第4次」の正体
2月17日、フジテレビの情報番組「Live News イット!」でモーニングブームの背景について解説するインタビューに応じました。さらに2月19日には、日経クロストレンドが「サイゼリヤが始動、『朝サイゼ』リポート 朝マックやコメダにない価値」を公開するなど、朝に対する関心が一気に高まっています。
そこで使われているキーワードが「第4次モーニングブーム」です。この言葉は、私が2025年10月10日にYahoo!ニュースで公開した「第四次モーニングブーム到来!? ファミレスが朝に本気を出しはじめた理由とは」で提示した概念です。
モーニングにはこれまで三度の波がありました。1950年代の名古屋喫茶文化を起点とする第1次、1980年代のファミレス拡大期の第2次、そして2010年代のエッグスンシングスなど外資・専門店主導の第3次です。
そして今、再び動き始めています。震源地は「ファミレス」です。なぜ今、大手各社がこぞって朝に力を入れているのでしょうか。その象徴的な事例である「サイゼリヤ」の分析から、第4次モーニングブームの本質を探ります。
1. サイゼリヤが「300円」で朝を提供できる構造
モーニングブームの中で、後発ながら圧倒的な存在感を示しているのが「サイゼリヤ」です。彼らが低価格を維持できるのは、単なる企業努力ではなく、「製造直販(SPA)」と「DX」の掛け合わせにあります。
・食材の徹底活用 自社で生産・加工まで担うことで、例えば「形が不揃いなトマトはソースへ」といった用途の使い分けを徹底し、コスト高の中でも食材ロスを最小限に抑えています。
・「カフェ化」するオペレーション 私が訪れた店舗でも、スタッフはわずか2名。しかし、モバイルオーダー、配膳ロボット、セルフレジをフル活用することで、もはや「フルサービス」ではなく「セルフサービス型のカフェ」に近い効率性で回っていました。 スタッフは朝の仕込みに集中しながら、最低限の接客で運営できる体制を整えています。

2. 「夜を追わない」決断が、朝の利益を生む
サイゼリヤの強さを支えるもう一つの要因は、2021年から継続している深夜営業の廃止(22時閉店)です。一見、売上の機会損失に見えますが、実はこれが大きなメリットを生んでいます。
・固定費(光熱費・深夜手当)の削減
・従業員の採用・定着率の改善
・教育環境の安定
人手不足が深刻な外食業界において、人材が安定しているからこそ、少人数でのモーニング営業という「高利益体質」のモデルが成立しているのです。
3. 2025年、ファミレスは「第4次ブーム」の主戦場へ
現在、モーニングを強化しているのはサイゼリヤだけではありません。デニーズ、ココス、ロイヤルホストといった大手各社も、2025年に入り次々とメニューをリニューアルしています。
各社に共通しているのは、「深夜需要が戻らない中、DXと働き方改革を前提に、いかに朝の開拓を進めるか」という課題解決の動きです。サイゼリヤのような後発組であっても、現場で本当に機能するDXを見極め、オペレーションの安定性を両立させれば、十分に勝機があることを証明しています。
おわりに
「第4次モーニングブーム」は、単なる食のトレンドではありません。 コスト高や人手不足という厳しい環境下で、外食チェーンが生き残るためにたどり着いた「高効率・高利益な新時代の営業スタイル」の現れなのです。
朝のファミレスでロボットが運んでくる300円の朝食。そこには、日本の外食産業が進化させてきた知恵が詰まっています。



コメント