戸惑いの正体は、アルバムそのものにあった。B’zの『Brotherhood』、Mr.Childrenの『DISCOVERY』、そしてGLAYの『HEAVY GAUGE』。それぞれのアルバムには『ギリギリCHOP』『終わりなき旅』『Winter, again』といった、バンドを代表する曲がしっかり収録されている。にもかかわらず、アルバム全体を覆っている空気は、どこかダウナーで、重い。
これまでの彼らのPOPさに油断して、無邪気に触ったら指先が深く切れるような荒々しさ。アーティストが抱える精神の軋みが、そのまま剥き出しの音像となって現れている。高2の自分にとっては、少しヘビーすぎた。
当時は言葉にできなかったが、いま思えば、僕はその時点で時代の移り変わりを肌で感じていたのだと思う。実際、その頃には宇多田ヒカルの『First Love』が発売され、歴史的なヒットを記録していた。バンドが音楽シーンの中心にいた時代は、静かに終わりを迎えつつあった。2000年を超える頃には、活動休止や解散を選ぶバンドも、少しずつ増えていく。