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インタビューが「浅いQ&A」で終わっていませんか?編集ページの取材を深める、3つの逆転発想

  • 執筆者の写真: 三輪大輔
    三輪大輔
  • 2025年10月21日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月5日

文章がうまいライターは、インタビューがうまいケースが非常に多いです。文章そのものの技術以上に、どれだけ「いい素材」を引き出せるかが、原稿の質を大きく左右します。下手なインタビューからは、どれだけ文章力があっても良い原稿は生まれません。その意味で、インタビューの成否がそのまま原稿のクオリティを決めると言ってもよいでしょう。


とはいえ、インタビューに苦手意識を持つ方も少なくありません。そこで今回は、広告ではなく、編集ページのインタビューに焦点を当てます。編集ページのインタビューは、単なるQ&Aでは深まりません。人物や企業の思考の構造を引き出すためには、質問の設計、対話の広げ方、読者へ届ける文脈づくりという三つの技法が欠かせません。


質問設計で取材の構造をつくる

編集ページのインタビューでは、質問項目そのものが原稿の設計図になります。理想は、質問を上から順に伺い、それがそのまま記事の構成へと落とし込める状態です。そのためには、取材前の事前準備が欠かせません。ここで原稿の出来上がりの八割が決まるといってもいいでしょう。


テーマがサービスであれば、そのサービスの特徴や競合状況、過去に類似した記事があれば必ず読み込みます。企業が相手であれば、上場企業ならIRを読むのは必須です。企業理念や中期計画、進捗状況などを踏まえた上で、今回聞きたい内容がどの位置づけにある話なのかを理解しておく必要があります。


こうした整理は、現在であればChatGPTのようなツールを活用することで、以前よりもスムーズに進めることができるでしょう。材料を集めて構造化しておくことで、質問項目の精度が一段と高まります。


作成した質問項目は、可能であれば事前に取材相手にも共有します。どのような意図で、どんな話を聞きたいのかを説明しておくことで、取材がスムーズに進み、相手も伝えるべきポイントを整理しやすくなります。


質問項目は、取材を進めるうえでの羅針盤です。単に情報を聞き出すだけでなく、記事として成立するための「文脈」や「流れ」を取材中に確保する役割を果たします。取材中に話が広がっても、質問項目という軸を持っていることで、最終的に構成へと集約することができます。


一方で、広告案件の場合は事情が異なります。広告代理店、クライアント、取材先と関係者が多く、前提知識も共有されているため、知らないふりは不要です。むしろ調べてきた情報を前提に会話を進めることが求められ、意図を外すと大幅なリライトに発展します。編集ページとはまったく別の技術が必要になりますので、この点は別の機会に詳しく取り上げたいと思います。


あえて「知らないふり」で広げる

質問項目があるからといって、単純に上から順に聞き進めると、どうしてもQ&A方式になり、浅い印象のインタビューになってしまいます。編集ページのインタビューの理想的な流れは、取材の前半で話を広げながら素材を集めていくことです。自由に語ってもらうことで、相手の思考や背景、これまでのストーリーが立ち上がってきます。


インタビューと聞くと、せっぽう鋭い質問を次々に投げかけるイメージを持つ方もいるかもしれません。企業の不正を追及するような場面であれば、その方法が適切でしょう。しかし編集ページの目的は、相手と建設的な関係をつくりながら、価値ある話を引き出すことにあります。心理学でも、人は話せば話すほど信頼感が高まり、自己開示が進むといわれています。そのため、取材では 相手が8割、こちらが2割程度で話すのが理想的です。実際、私自身もこのバランスで取材したときはインタビューの質が大きく向上し、仕上がる原稿の精度も最高になります。


ある程度素材が揃った段階で、再び質問項目という軸へ戻り、内容を整理しながら深掘りしていきます。これにより、読者にとって理解しやすい構造が整い、記事としての流れも自然になります。


その際に効果を発揮するのが「あえて知らないふり」をする技法です。とはいえ、基本的なことをそのまま聞いてしまうと、「こんなことも知らないの?」と相手に思わせてしまい、印象を悪くする可能性があります。そこで取材の冒頭で「過去の記事も拝見しており、存じ上げていますが、あらためて伺えればと思います」と一言添えることで、非常に聞きやすくなります。インタビューが始まる前に、企業やサービスに関する軽い雑談を交えるのも効果的です。過去にも語られてきた基本のストーリーをあらためて口にしてもらうことで、記事のベースとなる素材が得られ、こちらも話を広げやすくなります。


また、事前に調べてきた情報は、相手を試すためのものではありません。会話を深めるためのツールとして活用します。「以前の取材では〜とお話しされていましたが、今回のテーマとはどのようにつながるのでしょうか」といった方向転換の質問を投げることで、相手の思考の奥行きや背景が自然と引き出されます。


この広げる工程がうまくいくと、同じ人物を取材したとしても、他媒体にはない独自性のある内容になります。素材の取り方を工夫するだけで、記事の質は驚くほど変わります。


効果的な質問で核心を引き出す

取材で集めた素材は、そのまま並べても記事にはなりません。編集ページのインタビューでは、読者が理解しやすいように、素材の中から「核心となる要素」を見極め、引き出す質問を投げかけることが求められます。読者が知りたいのは、単なる事実ではなく、次のようなポイントです。


・意思決定の背景

・その企業や人物がどのように考えているのか

・業界や社会への視座

・未来への見通し


取材の終盤では、これらの要素を意識して質問することで、記事全体の軸が明確になります。


先ほど相手が8割、こちらが2割で、相手が多く話すのが理想だと述べましたが、こちらが話す2割はまさにこの場面にあります。前半で広げた話を、質問項目という軸で整理しながら、最後に読者へ届く「物語」へと結晶化させるための質問を投げかけます。


こうした核心に迫る質問を引き出すには、事前準備が欠かせません。相手の発言や背景、業界の動向を把握し、どこに“本質”があるのかを見極めておく必要があります。前半で相手が気持ちよく話している分、終盤では深い質問にも自然に応じてもらえます。むしろ、このタイミングで核心を聞き出すことで、他媒体と差別化できる記事が生まれます。


これこそが、編集ページのインタビューにおける「深める」技法の核心です。




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最後までお読みいただき、ありがとうございました。当ブログでは、取材の進め方や文章の組み立て方など、実務に役立つ内容を今後も更新していきます。ほかの記事も読んでいただけましたら嬉しく思います。


もし、文章術や取材の進め方について「こういう話も聞いてみたい」というテーマがありましたら、コメントやメッセージでお知らせいただければ幸いです。今後の記事づくりの参考にさせていただきます。

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