【飲食DXの伴走者】検索では辿り着けない店がある。ぐるなび・UMAME!が塗り替える、AI時代の店舗集客
- 三輪大輔

- 2025年10月16日
- 読了時間: 4分
更新日:2 日前
店選びの喜びと、その裏側にある選択疲れ
お店探しもついにここまで来たか––––。
そのサービスのリリースを見たとき、時代の転換点が訪れたと感じた。私自身、店選びは心から好きである。子どもが生まれてから飲みに行く頻度は減ったからだろう。行きたい店の候補はむしろ増える一方で、Googleマップの「行きたいリスト」は相当な数になっている。おそらく一年では消化しきれない。
そういうこともあり、誰かにおすすめの店を尋ねられれば、場所や予算、利用シーンに合わせて紹介するのも大好きだ。自分の中に蓄積された店のデータベースを開くような感覚があり、その過程すら楽しい。
ただ、いつも好きでいられるわけではないのも事実だ。特に人数の多い二次会や、酔いも回った三次会で店を選ばなければならない場面では、候補を挙げること自体が途端に煩わしく感じてしまう。そこまで極端ではなくとも、情報が過多になり、最適な一軒を選ぶ負担が大きくなっていると感じる人も少なくないのではないだろうか。
従来の検索では見つからない店がある
こうした状況の中で、外食業界における生成AI活用の動きが本格化しつつある。その先駆けともいえるのが、株式会社ぐるなびが提供する「UMAME!」に他ならない。同サービスは、ユーザーの嗜好に合わせてAIが最適な店を提案する仕組みを備えている。使えば使うほど学習が進み、ユーザーの好みをより的確に捉え、新しい店との出会いを広げていく。
UMAME!の強みは、レストラン予約サイト「ぐるなび」が保有する40万店舗以上のデータベースを活用している点にある。従来のグルメサイトでは、エリアやジャンル、日付、人数といった条件で絞り込みながら店を探す方式が主流だった。しかし、効率的ではあるものの、検索軸に当てはめる過程で店ごとの魅力や“らしさ”がこぼれ落ちてしまうという弱点があった。
こうした従来型の探し方に対し、UMAME!は異なるアプローチをとる。それが、ユーザーが日常的に使う言葉から気分やニュアンスを読み取り、店側の特徴と重ね合わせて提案する仕組みである。例えば「同窓会で使えるお店」と入力した場合、従来であれば個室の有無が第一候補になりがちであった。しかしUMAME!なら、懐かしさを味わえる雰囲気の店といった文脈に合う選択肢を提示し、気に入ればそのまま予約まで完結させてくれる。
未知の食体験を引き出すAIレコメンド
「UMAME!」が掲げているテーマの一つが、未知の食体験を提供することだ。実際、検索軸の外側にある魅力を拾い上げることで、これまでの方法では辿り着けなかった飲食店との出会いを創出してくれる。例えば、これまでは「イタリアン」や「フレンチ」といったジャンルからしか辿り着けなかった店に、料理の素材という切り口から出会うといった新しい発見をユーザーにもたらす。
UMAME!は検索を重ねるほど精度が高まるため、ユーザーが好む素材の料理を軸におすすめを提示してくれる可能性もある。飲食店側にとっても、従来の検索軸では接点を持てなかったユーザーにリーチできる点は大きなメリットであり、自店の強みを再発見するきっかけにもなるだろう。さらに、新しい店との出会いを促すという意味では、二次会のように冒険しやすい場面との相性もいい。現在、二回転目・三回転目のニーズの弱さを課題とする飲食店は多いが、その解決にもUMAME!は役に立つ。
飲食DXの次のステージへ
ぐるなびは、レストラン予約サイトの他にも、飲食店向け台帳システム「ぐるなび台帳」や、モバイルオーダーシステム「ぐるなびFineOrder」といったサービスを展開している。今後、「ぐるなびFineOrder」で蓄積されるデータがUMAME!に連携されるようになれば、ユーザーに対してよりパーソナライズされた提案が可能になるだろう。こうした複数サービスの連動が進めば、外食の情報流通そのものが変わり、業界の勢力図を塗り替える可能性すら感じさせるサービスであった。
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飲食業界におけるDX戦略の全体像については、下記の「飲食店DX総論」にて体系的に整理している。本記事はその各論にあたる位置付けであるため、あわせて参照いただきたい。
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